狂愛〜虎を照らす月〜
15〜深月side〜
岳と会場をでて、私は驚いた。

護衛!?

そこら中、黒服の厳つい組員で溢れていた。

す、凄い。


「岳?みんなで食べに行くの?」


「は?な訳ねぇだろ」


「いや、人いっぱいいるから」


「飯くうのは、いつもの俺達だけだ。」


「あ、そうなの?」


「ああ。行くぞ」


そう言って、岳は私の腰に手を添えたまま前を向いて歩き出した。


私は後ろの護衛は気にしない事にした。
それより、鉄板焼きが楽しみだったから。


「ねぇねぇ。鉄板焼きって、目の前でお肉焼いてくれるやつ?」


「ははは。そうだ。行ったことないか?」


「今思えば、ないかもしれない!!楽しみすぎるー!」

岳はいつも通り、そんな私を優しく見下ろす。
岳のこの顔、大好き。
安心する。

私もニコっと微笑み返した。
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