狂愛〜虎を照らす月〜
「深月。前向いて歩けよ?転ぶからな?」


「ははは!だいじょ


「ほれ!言ったこっちゃねぇ」

私は早速、転びそうになり、岳に支えられる。


「あ、あははは。気をつけまーす。」

後をチラッと見れば、陸さんと朔さんも肩を揺らして笑っている。

もう!!

私は大人しく前を向いて歩き出した。


そして気づく。


え、、、なんか、街の人達、凄い顔して見てない?
会場でもこの顔見た。

それ以上だ。


街行く人が羨望の眼差しを向けてくる。
岳に。


「え!?進藤組の若頭じゃない?めっちゃカッコいいー!!隣りの綺麗な人って、まさか結婚したっていう奥さん?」

女の人達の声が聞こえてきた。


ゲ!私の事見てる。

うわー気まずー。
どうせ、ケバいだとか不釣り合いだとか、、
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