狂愛〜虎を照らす月〜
5〜深月side〜
やっと週末だー。

今日もまた、紗理奈の所に行く。


会社からでて、キョロキョロする。


あれ?レクサスないな。


それっぽい車、、、



いや。あれは違うもんね。
黒のフルスモークのキャデラックエスカレードが止まってる。


拓磨の迎えかな?


そんな事を思いながら、迎えが来るまで待ってようと思った時、スーツを着たただならぬオーラを放つ男性が声をかけてきた。

物腰は柔らかそう。


「濱田深月さんですね?一緒に来てもらえますか?」

ニコニコと笑っている。


私はすっかり忘れていたが、この男性をみてすぐに気づいた。

進藤組だ。
岳さんに似てる。
弟さんだこの人。


ついにバレた。


てことは、透さんが口を割ったのね。
まぁ、遅かれ早かれか。
てことは、今日の紗理奈との約束も流れたって事か。


はぁ。何を言われる事やら。
気が重い。
仕方ないか。


「はい」

私は大人しくついて行く事にした。
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