愛のない一夜からはじまる御曹司の切愛
再会の一夜
 
 柔らかい小さな温もりを感じて、私はゆっくりと目を開いた。
 
カーテンから漏れる光から、もう朝だということは理解した。その刹那、「マー」という可愛らしい声とともに。ドンとお腹の上に重みを感じた。

「弥生、おはよう」
 少し前から起きていたようで、一歳三ヵ月になったばかりの弥生は私の胸のあたりまでよじ登るとニコッと笑った。

「お腹すいた?」

「あー」
 まだ言葉は話せないが、だいぶこちらの言っていることがわかるようになってきた弥生は、なにやら声を発しながら立ち上がった。

「じーじはお店だけど、ばーばは起きてるかな?」

そう言いながら私も起きると、二組敷いてある布団をたたみつつ弥生に声をかけた。
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