パパになった冷徹御曹司の溺愛は止まらない!~内緒の赤ちゃんごと、独占欲全開で娶られました~
 自嘲気味な笑みが零れ落ちて、今置かれている立場を悲観することしかできなくなる。そんなことをぐるぐる考えていると、不意に母の声が聞こえて我に返る。

「ねえ、父親とは別れちゃったの?」
 付き合ってすらいないのに、別れるも何もない。一夜限りなど実の母親に話せる内容でもない。

「うん、理由があってもう付き合うことができなくなったの。だけど……」

「でも、伝えるだけ伝えてみたら? 父親なんだし責任もあるわ」
 母の言うことは確かだ。彼も妊娠していると知れば、何か気持ちが変わるかもしれない。
 
そんな時、リビングについていた午前の情報番組から何気なく聞こえてきた内容に、私は目を見開きそれを見つめた。
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