ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
付き添いの子が、噂話って楽しい! といわんばかりに、節をつけてクスクス笑う。

───ママ活……いわゆる援助交際、か……。

大地には悪いけど、確かにやってそうだと思ってしまった。

初めて身体を重ねた時に感じた、手慣れたしぐさ。

余裕すら窺える、歳に見合わないベッドテクニック───『大人の女』と付き合っていれば、嫌でも上達するだろうし……求められるだろうから。

そう思って納得し、作業を再開した。

黙っている私の態度に、ショックを受けていると思ったらしい。シュークリームを注文した子が、ボソボソと申し訳なさそうに言った。

「あのぉ、あたし別に、意地悪で言ったんじゃなくて……。オネーサン、いつも1コしか買わないあたしに、丁寧にやってくれるじゃないですか。
それで、あたし……オネーサン良い人そうだから、だまされてたらかわいそう、とか思って……」
「親切で言ってあげてるんだよねー? みついだあげく捨てられたら、お気の毒ぅっていうか~」

付き添いの子の目に「オバサンのくせに、高校生なんか相手にしちゃって」という侮蔑(ぶべつ)が、見え隠れしている。

───そんなコト、アンタに言われなくたって、重々自覚してるわよっ! と、内心どついておく。

でもホント、心の中だけの話で、おくびにもださずに、満面の笑みを彼女達に向けた。

「わざわざ教えてくれて、ありがとう。
───それでは、お会計いたしますね」



< 46 / 115 >

この作品をシェア

pagetop