一途な後輩に、秘密に溺愛されてます。


「ねえ咲菜。なんでそんなに年下を勧めるの?」


「なんでもだよ!」


「……?」



これじゃずっとこのままじゃない、とよく分からない言葉は不思議と悲しそうだった。




「てか、悧來はモテるんだからすぐに彼女できるでしょ。いいなあモテる人は。羨ましい」




なぜか彼が入学してから今まで、彼女を見たことがないけれど。


なんせ、モテる人には選択肢が選り取り見取りだから。



そう思っていると、目の前の咲菜が目を見開いたあと、ゆるゆると肩をすくめて呆れたような表情になった。



「え、私何か変なこと言った?」


「ううん……こんの無自覚。だから苦労するんだろーね」


「はい?」


「いーや、こっちの話ー」


「はあ……」






< 10 / 131 >

この作品をシェア

pagetop