一途な後輩に、秘密に溺愛されてます。
「それにね、なんだか比べるのが馬鹿馬鹿しくなったの。たまにさ、『なんでこんなに羨んでるんだろうな自分』って思うことない?」
「……それは」
「…少なくとも、私や成沢くん、向葵ちゃんは西宮くんを必要としてる」
自信なさげに目を伏せていた西宮くんが、バッと顔を上げた。
「意見はとっても的確だし、なにより責任感があるから安心して仕事を任せられる。だから生徒会には西宮くんが必要だよ?」
「……本当、ですか」
「本当よ。嘘だと思うならふたりにも聞いてみて?」
それに、あのふたりのやり取りに突っ込めるのは西宮くんくらいだよ、と微笑む。
他人と比べなくても、西宮くんは十分輝いてる。
眩しくて感じるのは私の方だよ。
「だから、自信持って」
「……はい」
ぎゅ、とペットボトルが握られて弱々しくへこむ。
だけど、さっきまでの不安そうな瞳はなかった。