一途な後輩に、秘密に溺愛されてます。

ほんとに仲が良さそう。

どんどんテンポの良い会話が繰り出されていく。



それよりも、いま聞き捨てならない言葉があった気がするんだけど。




「……なに悧來、いつも私のことばかにしてんの？」


「いやいや違いますって。誤解ですよ」


「じゃあ何？」


「ええとそれは……」




珍しくしどろもどろする彼が面白くて、すこし楽しくなりながら問い詰める。




「そんなに言えないほど悪く言ってたの？今白状したら矢一本で許してあげるからさっさと吐きな？」



「だから誤解だし、怖いですって……！柳瀬もわかってんなら弁解しろよ……！」



「えーいいの？」


「ダメだけど」




食い気味に否定した悧來に、向葵ちゃんは苦笑した。



そんな私に知られたら不味いことなの……？



また今度悧來がいないときに向葵ちゃんに聞いてみようか。