一途な後輩に、秘密に溺愛されてます。
慌てている彼と、その反応を楽しんでいる向葵ちゃん。
どうやらこのやり取りは尽きないようで。
……なんでだろう。
なぜか、いつもと違う彼の表情を引き出せる彼女に、少し羨ましさを感じた。
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「ねえー良いでしょおー?」
「ええ……うーん……」
端から見たら、駄々をこねる咲菜と、それを渋る私。合ってはいるんだけど。
「ねえ、恋奈もお菓子作ろうよ!」
「えー…」
正直言って、三月十四日前後はかなり忙しい。
お菓子を作る暇は、たぶんない。
しかも、生徒会長なのにそんなことをして良いのか。