100日婚約なのに、俺様パイロットに容赦なく激愛されています
『なんでも聞いていいと言っていたな。ボーイング777や787のようなジェット旅客機とATR72や42のようなプロペラ機の主翼の形状の違いは?』
『えっ!?』
(どうしてそんな専門的な質問ができるの?)
『わからないのか?』
『わかります。ジェット機が後退翼でプロペラ機が矩形翼です』
後退翼とは翼が後方に下がっている形のことで、矩形翼とは胴体に対して真横にまっすぐ伸びた翼をいう。
驚き戸惑いながら答えると、すかさず問いを重ねられた。
『では、後退翼のメリットとデメリットは?』
『え、えーと……』
『航空整備士の試験にも出そうな問題だが。わからないなら次に会う時までの宿題にしよう』
(何者? 無知なふりしてからかう性格の悪いマニア? まさか同じ業界の人じゃないよね)
あの時の予感はあたっていたが、同じ会社のパイロットだとは少しも思わなかった。
(最初からうちのコーパイだと言ってよ)
このあと、宿題の解答を求められたらどうしようと冷や汗が流れる。
帰宅してすぐに調べたので答えられるが、パイロット相手に初歩から航空機を語ってしまったのが恥ずかしい。
「どうした?」
和葉の様子がおかしいことに気づいたのか、浅見が心配してくれる。
「すみません、背中を貸してください」
思わず浅見の背に隠れたが、部長から持ち場に移動するよう指示が出た。
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