100日婚約なのに、俺様パイロットに容赦なく激愛されています
恵まれた容姿に加えパイロットとしても優秀で期待されている彼は、当然のことながら女性人気が高い。
アメリカに発つ前に、CAの女性ふたりが彼を巡りオフィスで激しく争ったという逸話もあるそうだ。
結果は両者ともフラれ、ひとりは退職に追い込まれたという。
CAたちのはしゃいだような声がまだ頭から離れない。
『四年前よりさらにかっこいい。優しいのは前からだけど、硬派な感じも加わって。歓迎会を企画したのに断られて残念』
『彼女はいないのかな?』
『いないよ。本人は答えてくれなかったから、同期のコーパイに確認した』
『ちょっと、みんな目がマジなんだけど。抜け駆けなしでいこう』
五十嵐の彼女の座を狙っていそうなCAたちの会話を思い出すと、ツッコミを入れずにはいられない。
(異議アリ。硬派かどうかは知らないけど、どこが優しいの? 私には逆なんですが)
ランウェイと十日前、そして今の三回しか五十嵐と話していないが、和葉には意地悪だ。
「不服ではありません。その通りだと思っています」
(ただ、あなたに言われるとカチンとくるだけ)
言葉にしなかった気持ちを目に込めると、天井パネルのスイッチに手を伸ばしていた彼の視線がこちらに流された。
パイロットに喧嘩を売って得はない。大人の対応を取らなければと思ったが、負けたくない気持ちが勝って視線をぶつけ返してしまう。
すると、真顔だった彼がフッと口元を緩めた。
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