100日婚約なのに、俺様パイロットに容赦なく激愛されています
「そ、そんなわけないです。布団に入れば秒で眠れます。連絡なしで帰宅しなくてもフライトでなにかあったんだろうと思っていましたし、美玲さんに誘われてそっちに行ったとか、少しも考えませんでした」
「寝ているところを起こしたら悪いと思って連絡しなかったのだが、そんなに不安にさせていたとは。すまなかった」
「あの、私の話、聞いてます?」
平気だったと言っても信じてくれない彼が、不満顔の和葉を無視して浅見を見た。
「数分でいい。和葉を借りたい」
「ホノルル便の到着まででしたら。十分以内でお願いします」
仕事中なので話は帰宅してからにしてほしいと口を挟んだが、男ふたりにそれもスルーされる。
背を向けて歩き出した浅見が、急に立ち止まって振り向いた。
「言い忘れていましたが、金城は片想いをしているそうですよ」
「浅見さん!」
百日では惚れなかったと強がりをいい、五十嵐のマンションを出るつもりだったのに、人の恋心をアッサリと暴露しないでほしい。
「笑顔にして仕事に戻してください」
それだけ言うと浅見は立ち去り、五十嵐とふたりにされた和葉はこの上ない気まずさを味わっていた。
(浅見さん、恨みます)
五十嵐の反応が気になるが、目を合わせることができない。
(からかってくるのか、勝ち誇るのか……)
意地悪に笑われそうな気もして身構えていたのに、それについては触れてこない。
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