【完】恋情を拗らせた幼なじみ社長は、訳アリ令嬢を執愛している。
当時はまだ俺も小さくてよくわからなかったが、大手の百貨店だったからテレビではたくさん報道がされていたのを覚えている。
あの日は、俺と両親と彼女と百貨店にいた。彼女の誕生日が近いからプレゼントを贈りたくて何がいいかわからなかったから選んで欲しくてお出かけに誘ったんだ。
あの時から俺は麗ちゃんが好きで堪らなくて、喜んで欲しくて笑顔が見たかった。
けどあの事故が起きた。俺は守ることが出来ずに、危険に晒した挙句火傷の痕を残してしまった。幸い、顔に痕が残らなくて良かったけど大切な女の子の身体に大きな傷をつけてしまった。
彼女の両親には当たり前だが罵倒され、もう顔も見たくないと言われた。傷痕が残ってしまうってお嫁にも行けなくなる、と叫ぶように言われた。
普通なら、もう会わないだろうが俺は彼女を愛していたからなのか……歓喜した。異常だと理解している。
でも、その傷がある限りは俺のことを忘れられないし俺以外とは結婚しないということだと気づいてしまったから……。