【完】恋情を拗らせた幼なじみ社長は、訳アリ令嬢を執愛している。



 レストランから出てエレベーターにあるカードキーを碧さんがかざすと上に上がる。
 バーは、会員制でカードを持ってないと行けないらしく、バーのある階はボタンが存在しない。なに、すご……


「私会員じゃないですけど大丈夫ですか?」

「大丈夫。俺が会員だからね、会員がいれば入れるよ」

「そうなんですね」


 さすがラグジュアリーなホテル。
 エレベーターを降りると、そこはガラス張りの窓で東京が見渡せてキラキラと煌びやかな夜景が広がっていた。

 ガラスのそばに行くと、碧さんにバーのプレミアムシートへと手を引かれて案内される。


「ここ、予約席って書いてありますけど大丈夫なんですか?」

「大丈夫。この席は何もない限り俺の席だから……だから安心して」


 そうなんだ、なんだかすごいな。

 私の家も金持ちの部類だけど、両親とか兄もこういった場所は好まないから来ることがない。だから初めてのことばかりだ。


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