恋愛デビュー *


  
 橘は俺の隣に歩み寄って来た。






 「・・・・良い話・・・ではないよね・・・・?」






  橘は下を向き呟いた。





 
  「・・・・・・・俺さっ・・「別れたいんでしょ!」」





 橘は俺の話をさえぎった。









 「分かってたよ・・・想が田辺さんしか見えてないって事だって・・・・」






 橘は俺の方を向いた。





 「でも、本当に大好きなの想が・・・・・」





 橘の瞳から大粒の涙が零れ落ちる。





 


   「だから形だけでも付き合いたかった・・・・・」







  俺はこんなに素直な橘を初めて見た気がする。







   でもお前は傷付けたくない  。




 
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