ハイスペミュージシャンは女神(ミューズ)を手放さない!

終わりのない溺愛

 ストッキングなんて破ってしまいたい、という本音が見え隠れする顔に「待て」のキスをして、雫はスカートのジップを下げた。

 これさえ外れてしまえば、雫の下半身の守りなんて、ないに等しい。それでも自分の手をかけてしまうほど、言葉には出さずとも期待を持ってしまっている。

 ほんの少しの隙間に隆介の指先が入りショーツごと下げられると、小さなお尻が顕になった。二つの膨らみの間へ指をそわせると、隆介はその丸みへ齧り付いた。狭く、潤んだ蜜口は肉棒を受け入れたいとヒクついてしまう。

「っや……あぁぁんっ!」
「雫のここ、もう欲しいって言ってる」

 卑猥な言葉や彼の噛みつきに感じてしまうのだって、これまでの彼の調教の賜物。隆介の与えた刺激は全て、たった1年の空白があったくらいで忘れられる様な薄っぺらいものじゃない。ヒクついた肉襞は触れられるたびに愛液を溢し、グチュグチュと音を立てる。

「あ、あぁん……っ!そこ、だめ……っ」
「すっごいぐしょぐしょ。いつから濡れてたの?」
「……隆介さんが、車で意地悪、するから……っん!」
「車の中から?ふぅん……俺は再開した時から喜びで震えてたのに」

 悔しそうな顔をした隆介は、雫の陰核を指先で執拗に押し潰した。クリクリと細かくこねる様にいじくり回されると、雫の身体はビクビクと跳ねて止まらない。

「ひゃ、あっ……!あぁ……んっ」
 
 間に入り込まれて大きく開かれた足はピンと伸び、細かく震える。隆介の膝は、雫が簡単に足を閉じることを許さない。ピンク色の蕾の先端を片手で刺激し続けながら、隆介は自身のスラックスから昂った己自身を取り出した。ちゅるんと光る亀頭には水滴が溢れ、隆介もまた雫を求めていることは明らかだ。

 濡れた裂け目に粘りのあるそのカウパーを塗りたくると、一層滑りが良くなる。数回往復してびちゃびちゃに濡れた亀頭を、隆介は愛液の源へグッと押し付けた。

 雫の穴はくちゅりといやらしい水音を立てながら、隆介の熱い欲望を受け入れていく。膣は久しぶりに押し寄せる圧倒的な質量によってめりめりと押し広げられた。

「ひぁっ、ん……っ、りゅ、すけ、さ……ぁんっ!」
「っ……く、雫……っすごいな……」

 快感でくねらせた雫の腰をひしと掴んだ隆介は、一度7割ほど入ったそれをずるりと引き抜き、一思いに突き上げた。

「っぁああん!」

 雫の体を電撃が走るような快感が貫く。膣穴は、このぴたりとはまる鍵を離したくはないと、一層ぎゅうぎゅうと締め上げた。溢れるカウパーと雫の愛液で、シーツはとっく濡れ切っている。

 雫に欲情している隆介の表情はたまらなく淫らで、世界中の誰よりも魅力的だった。首筋を流れる汗ですら、彼の美しさを引き立てている。そんな人が自分の恋人なのだと思うとたまらなく愛おしくて、雫はその太い首筋へ抱きついた。

「隆介さん、大……好きっ」
「雫……今夜はほんと、俺のこと試してばっかだね」

 龍介は雫の太ももを掴んで角度を少し変えると、下半身をぐいぐいと押しつけ、より深く、より快いところを探り当てる。

「きゃっ……ああぁん!」
「みつけた……雫のいいとこ」

 自らの突き上げできゃんきゃんと鳴く恋人を、隆介はたまらなく愛おしそうに見つめて抱きしめる。がっしりと太い腕によって身動きできないくらいに抱きしめられたまま、雫はぐいぐいと最奥をこじ開けられた。

「あっあっあっ、それ、無理っ無理ぃっ!いっちゃ、う、いっちゃうっ!」

 彼の律動に合わせて背筋はゾワつき、途方もない快感の波が何度も押し寄せる。下腹部に力が入るたび、薄く柔らかな雫の腹部には隆介の昂りが刺さり、その硬さを強調する。どちらの汗かもわからない水分が、2人の間に滴っては、シーツに沁みていく。

「っはぁ……!あっつ……」

 肩で息をした隆介は、汗でびったりと体に張り付いた薄いニットを脱ぎ捨てた。細身のチェーンとダイヤのペンダントトップが輝き、胸元を彩っている。逆三角形の体とうっすらとシックスパックに割れた腹筋は、雫の胸を更にときめかせた。

 散々に乱れ、もはや雫の手首をほんのりと拘束しているだけのシャツとジャケットを外し、胸の上へ上がってしまっていたブラを地面へと捨て去る。

 あんなにも燃えていたというのに、急に生々しさが込み上げてきて、顔が熱くてたまらない。キュンとときめいた膣穴で彼の存在感を強く感じて、更に雫の鼓動を高めた。

「何、考えてんの?すごい吸い付きなんだけど」
「……幸せってこういうことなのかな、って」

 ここで隠しても仕方ないからと素直に答えつつも、照れ臭いのに変わりはない。そばにあった枕で顔を隠すと、抱きしめるなら俺にしてと枕を奪われた。

 向かい合って座る様な体制から、雫の背中がベットへ沈む。雫が首へまた腕を回すと、隆介は雫の中で更に膨れて硬さを増していく。

「あっ……!」
「ん?」
「また、おっきく、なりました……よね?」
「雫が可愛すぎるのがいけないね」

 ちゅ、とリップ音を立てて額へキスを落とした隆介は激しく腰を前後させ、雫を抱き潰す勢いで突き上げた。彼の香りに包まれた雫は、よそ見する暇もないまま体を大きく痙攣させ、2度目の絶頂を迎えた。

「ああぁぁぁっ!」

 彼の抽送に合わせて、チョコレート色のまっすぐな髪が枕と擦れる音がする。普段なら気に留めない音ですら、今日は雫を更に興奮へと導く要素のひとつ。相当乱されていることはわかるけれど、どんな髪型になっているかは想像もつかない。

「何考えてんの?余裕そうじゃん」
「あっ……そうじゃな、い……っ!」

 腰に体重をかけて、雫がよがるポイントばかりを重点的に擦り上げる。彼と枕に挟まれた雫は快感をどこかへ逃せるはずもなく、ただその快感を全身で享受するだけ。

 呼吸を忘れそうなほどの快感に耐えるため、必死で何かに縋ろうと枕の端を指先で探すと、隆介の大きな手が雫の手を握った。

 ぎゅうっと繋がれる手に安心してしまうのは、もう体がこの人しか受け付けないと本能で語っているのかもしれない。

「……りゅ、すけさん……だい、すきっ」

 薄桃色の先端がしっかりと立ち上がった胸は、下から突き上げられるたびに、ぷるんぷるんと震える。前の行為の時よりも2サイズも上がってしまって、タイトな服を着るとやけに主張している様に見えてしまう胸。

 ここに触れてと主張する膨らみは厚い舌で舐め上げられ、キスする様に口内で転がされた。つんつんと舌先で刺激されると、静電気の様にピリピリとした快感が刺さる。

「っひゃああぁんっ!そこ……っきもちいっ!」

 どこもかしこも、隆介に触れられると気持ちが良くて、もう狂ってしまいそうだ。自分の体は、この人の指先だけを求めていたのだと、強制的に理解らされてしまう。

「愛してるよ、雫」

 まだ彼の唾液のついた胸は、ひんやりとした空気にすら刺激を感じた。それは、極細の針を刺す様な、甘やかでおかしな刺激。

 隆介が少しスピードを上げて腰を打ちつけられたあと、腹部へどくどくと熱が広がるのを感じた。雫の膣はその熱を更に広げようと規則的に痙攣する。

 朦朧とした意識の中でも彼を手放したくなく、その好調した首元へ抱きついた。

「私も……愛してます……」
「ずっと、俺だけを見て、この先永遠に、俺だけのものでいて」
「はい……っ永遠に、りゅ、すけさんの、もの……」

 その後の記憶は、もうない。
 ただ雫が目覚めた時も、隆介は雫の中でその雄々しさを誇ったまま、雫を横抱きにして眠っていた。

 結局、何時に眠り何時に起きたのかも、記憶にない。

 カーテンを開けたまま眠ったせいで明け方の日光に起こされたけれど、雫の中に入ったままのそれのせいで互いの目覚めに気付き、そこからまた2回戦、3回戦……。

 ずっとナカに入っていた感覚が残り過ぎて、ずるりとその大きな根を抜かれた時は、体にぽっかりと穴が空いていることを自覚させられた。

「今日は一日雫のナカにいたかったんだけど」

 隆介は悪びれることもなく後ろから雫を抱きしめて、肩口にキスを落とした。まだ感度の高いままを維持している雫が鳴き声を上げると、隆介はそのまま両方の乳首の先端を捻り上げて、執拗にこねくりまわした。

 「あっ!あっあぁんんっ!も、だめっ、だめっ」

 せっかくシャワーを浴びようとしてベッドから離れ洗面台の方まで来たというのに、これでは隆介の執着から離れられない。ぐらつきかけて洗面台のヘリに手をつくと、隆介の注ぎ込んだ温かな白濁が蜜穴から溢れ、太ももを伝った。

「うわ、えっろ……」

 そんな雫を見てまたすぐ元気を取り戻した隆介は、聳り立つ男根に自身の吐いた白濁を擦り付けて、また雫のぽっかり空いた隙間を埋めた。

「きゃっ!あっあっ……も、シャワー浴びるって、あっあっ……言った、の、にぃ……っ!」

 後ろから突き上げられるスタイルは、まるで動物に戻った様な野生みと生殖本能をくすぐられる。足に自重が乗っている分、不本意な太ももの痙攣も自覚させられて恥ずかしい。

「俺はまだ、足りないくらいだから……ごめん」

 雫の細い両手首を掴んでその腰の上へ乗せ、隆介の手が雫を拘束する。グチュグチュグチュと溢れる粘度の高い水音が浴室に響く。

「ほら見て、俺に犯されてる時の雫の顔。最高にかわいい」

 隆介によって手枷の様に腕を取られ、穴からは注がれた性液をたっぷりとこぼした姿が、目の前の少し曇った鏡に映る。とろんとした瞳と小さく開いた口で、物欲しそうな女の顔をしている。

 そしてそれを見つめる隆介もまた、愛おしそうにこちらを見つめながら欲望を雫にぶつけていて、たまらない顔をしていた。

 結局、シャワーを浴びて休めたのは11時過ぎ。

 ベッドの上でバスローブのままゴロゴロしていた隆介からの、空腹で動けないからルームサービスを取ってから考えようという提案に素直に乗ることにした。
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