4月1日、24時。

中学2年・侑莉

『侑莉の幼なじみってかっこいいよね。ってゆーか、これからどんどんイケメンになりそう』

中学二年のわたしが友だちによく言われた言葉。
臣が中学に上がって来た頃から、何度も言われた。


『中身は全然、小学生のままだよ』

わたしが決まって友だちに返してた言葉。

誰にも臣を見つけて欲しくなかったから、そう答えてた。


中学生になった臣は、急に男っぽくなって女子にモテるようになってた。

わたしより小さかった背も、いつの間にか抜かれてた。

重たいものを持ってくれるのは昔からだけど、さりげなくドアを開けてくれたり、道の車道側を歩いてくれるようになってた。


ううん、急じゃなかったのかもしれない。


だって、わたしは小学六年の臣が学校でどんな風に過ごしてたか、知らないんだから。
あの頃は、家に帰ってからも、お休みの日もあんまり会わなかったし。

男っぽくなっていく臣にドキドキするたびに不安になる。


〝誰に教えてもらったの?〟

〝どうして大人になろうとしてるの?〟

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