妹に許婚を奪われたら、冷徹CEOに激愛を注がれました~入れ替え婚!?~
 彰史に従い、別荘の中へと足を踏み入れる。内装も以前の面影があるが、庭へ続くリビングのガラス窓が変わっている。

「わ、お庭がすごい! こんな大きなガラス窓はなかったですよね?」
「ああ。そこは新しく作り替えた。これなら庭の花も描きやすいだろ? 外にも椅子はあるから、もちろん外で描いてもいい」

 庭にはすでに色とりどりの花々が植えられている。家の周囲の木々とのコントラストが美しい。季節ごとに様々な表情を見せてくれることだろう。

「彰史さん、ありがとう。すごく嬉しいです」
「ん。喜んでもらえてよかった。シェアハウスの管理人がこの家も一緒に管理をしてくれる。いつでも使えるようにしてもらうから、円香は好きなときに来るといい」
「ありがとうございます。あの、彰史さんも! ……彰史さんも、時間があるときは一緒に来てくれますか?」

 円香はこの素敵な場所で、できれば彰史と一緒に過ごしたい。一人でも十分楽しいだろうが、彰史と一緒のほうがきっとずっと楽しい。

「もちろん。俺はここで君が絵を描いている姿を眺めて過ごそう」

 彰史はリビングにあるソファーに腰かける。そして、円香を誘うように、おいでおいでと手招きしてくる。

 円香がそれに引き寄せられるようにして、彰史のそばまで近づけば、くいっと腕を引っ張られて、彰史の隣に座らされる。

「君が疲れたときは、こうして並んで座ってゆっくりしよう」
「そうですね。約束です」

 二人はそっと小指を絡める。ささやかで、贅沢で、愛しいこの約束はきっと守られることだろう。ずっとずっと先の遠い未来まで。
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