妹に許婚を奪われたら、冷徹CEOに激愛を注がれました~入れ替え婚!?~
 そんなまばゆい言葉を交わしてから、一年半の月日が流れた。二人は今も幸せに包まれた日々を送っている。

 そして、今日はまた一段と円香を幸せにしてくれる場所へと訪れていた。

 久しぶりに踏みしめるその台地は、誕生日に贈られたあの別荘がある丘の上だ。別荘の改築工事が終わったからと彰史に連れられてやってきたのだ。

「懐かしい! きれいになってるけど、ちゃんと面影はありますね」
「気に入っているという話だったからな。できるだけ元の形を残すようにした」
「そんなことまで考えてくださったんですね。ありがとうございます」

 円香はじっくりと外観を眺める。カントリーテイストのかわいらしい家だ。

 別荘の隣にも似たテイストの家が立っている。

「隣の建物も雰囲気が似てますね」
「実はあれも譲ってもらったものなんだ。あっちはアーティスト向けのシェアハウスとして運用する予定だ」
「アーティスト向けの?」
「ああ。円香が別荘で絵を描くのが好きだったと聞いて思いついたんだ。こういう景色がよくて静かなところは制作活動に向いているんじゃないかと思ってな。それに丘を下ったところの市街地に、住人が個展を開けるギャラリーを用意したから、売り込みをしたいアーティストにも需要があるはずだ」

 円香は感心して彰史を見つめる。この男は常にアンテナを張り巡らせているらしい。

「……すごい。彰史さんは普段の些細なことからも、たくさん考えを巡らせているんですね」
「まあ、それが癖だからな。さあ、中も案内しよう」
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