「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
 シュルーシュカは楽しそうに笑っているだけだし、エレオノールは顔に集まった熱を冷ますのに忙しいし、答えはわからずじまいだった。



◇ ◇ ◇



 目を覚ましたジークハルトは、自分がなぜ城にある自室のベッドにいるのかすぐには理解できなかった。

(俺はあの時、妙な男に斬られたはずだ)

 遠征に向かった先で、魔物たちが近隣の村を襲おうとしていた。

 やけに気が立った魔物たちの相手に苦戦しながらも討伐を完了しようとした時、顔を隠した怪しげな男たちが現れて混戦となったのだ。

 そしてジークハルトは部下を庇って斬りつけられ、心の臓を毒が塗られた剣で貫かれたはずだった。

< 187 / 530 >

この作品をシェア

pagetop