「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
 それはかつて、エレオノールが絵本を見て父親のために用意したものだった。

 必要ないと言われ、ご褒美どころかお仕置きを受けた原因になったものを、なぜジークハルトが持っているのか。

「あの日、毒を盛られて苦しむ俺をお前が癒やしてくれた。その時にこれをくれたんだ。覚えていないか?」

「うそ、だって……そんな……」

 エレオノールは先日リヨンでのパーティーでああいった華やかな場に出た経験があると感じていた。

 つらいものばかり刻まれてしまった過去の記憶のせいで、それ以外の思い出が薄れている可能性は充分にある。

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