「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~
エピローグ

 例年よりも多い降雪に振り回され、城の復旧にはずいぶんと時間がかかった。

 熟練の職人や魔法使いたちの手によって、かつてほどとは言わずともかなり元の姿を取り戻した城に、今日は大勢の人が集まっている。

 ベルグ帝国各地の街はお祭騒ぎだった。

 大通りに並ぶ屋台は数えきれず、子どもたちは笑顔で花を振りまいている。

 今日はエレオノールと、次期皇帝として発表されたジークハルトの結婚式が行われるのだ。



「こら、リュース!」

 美しいウエディングドレスにまとわりついて、装飾された宝石にかじりつこうとしたリュースを止める声があった。

「みゃあ」

「みゃあ、じゃありません!」

< 506 / 530 >

この作品をシェア

pagetop