【完結】スキャンダラスな愛され契約~危険な魅力の幼馴染の愛は重い~
 私の言葉を聞いた細美さんが、ぎりっと歯ぎしりをしたのがわかった。忌々しいとばかりに、私のことを睨みつけてくる。

「なによ、ただの一般人が偉そうに……!」
「一般人だったとしても、です」

 そもそも、好きと嫌いには。一般人も有名人もないのだ。

「私は、瑛二くんが好きです。彼がどんな選択をしようとも、支えます。……その覚悟が、あります」

 かみしめるようにゆっくりとそう宣言した。

 ……彼女の目の奥が、揺らめく。でも、すぐにその目に激しい怒りを宿した。

「黙って聞いていれば、いい気になって! あんたがそのつもりだったら、私にだって考えがあるわ。私の家は、出版社とも懇意にしているのよ!」
「……そうですか」
「一応、彼のためを思ってスキャンダルは伏せているけれど、私が一つお願いをすれば、私と彼の関係は明るみになる。……そうなれば、彼は私と結婚せざる終えなくなる」

 彼女が、勝ち誇ったように笑いながらそう言う。

 ……哀れだと思った。理由なんて、簡単だ。そこまでしないと、好きな人を手に入れられないということが。

「どう? もしも、これが嫌なんだったら、さっさと別れ――」

 細美さんがそう告げようとしたとき。店の扉が開いた。その人物は、迷いなくこちらに歩いてくる。
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