出会った彼は

私はあまり心の準備が出来ないまま、当日を迎えた。

当日まで、涼太くんからの連絡は特になかった。



いつもより入念にメイクをして、髪の毛も巻いてハーフアップをする。

夏の始まりを告げるようにジリジリとした暑さを肌に感じながら、私は待ち合わせ場所に向かった。


スマホの時計を見ると12:40。

少し早く着いてしまったかなと思いながら、ベンチに腰掛ける。


この駅は人も多くて待ち合わせにもよく使われる。

こんな場所で待ち合わせなんてしても良かったのだろうか。


スマホを少しいじっていると、上から声を掛けられる。


「ねえ、お姉さん1人?」

涼太くんかと思ったら全然知らない人で。

とりあえずイヤホンをつけていたので聞こえないふりをする。


早くどっかに行ってくれと思いながらスマホの画面を見る。
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