日常を返せ!

事情聴取

 次に目を覚ましたのは、白い天井が見える部屋だった。

 一瞬、あの部屋に戻されたのかと思い、慌てて起き上がる。

 しかし、そこは普通の病院だった。

 その証拠に、わたしの側にいた母が驚いていた表情をしていた。

「明良、大丈夫⁉︎」

「あれ、わたし……」

 どうしてここにいるのかと聞こうとすると、脳裏に首を絞められて死んでいた田山の姿が浮かんだ。

「田山……。ねぇ、田山は無事なの⁉︎」

 わたしは母の腕を掴んで尋ねるが、母はわたしから視線を逸らした。

 それが田山が死んだことを肯定したので、手を離して項垂れる。

「そんな、どうして……」

「それについて警察が明良に聞きたいことがあるって」

「警察が?」

「お、目を覚ましましたか」

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