日常を返せ!
「すみません、わたしの無罪を証明してください!」

「は? 何言ってるの?」

「貴女も見たでしょう⁉︎ 男がマンガを持って出て行ったところ」

「……わたし、知らない。あんたがやったんでしょ?」

「そう言わないでください! お願いします、わたしの無罪を証明してください」

「わたし、急いでいるからもう行くね」

「待ってください、お願いします。ちゃんと思い出してください! 万引きしたのはあの男だって言ってくださいよ!」

 わたしは女の腕を掴んで頼み込んだが、女は腕を振り払った。

「うるさいな! 知らないって言ってるでしょ‼︎」

 女が激しく罵倒すると、わたしは咄嗟に手を離す。

 舌打ちをして、女はどこかへ行ってしまった。

「とりあえず、中に入ってもらおうか。反省してないようだから、学校と警察に連絡させてもらう」

「お願いします。彼女に聞いてください。わたしは万引きなんてしていません‼︎」

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