日常を返せ!

対策

「俺たちは同居しているから、大丈夫だな」

「うん。わたしを守ってね、星矢♡」

 石井は頭を撫でる中川に抱きつき、甘えた声を出す。

「では、僕は羽間さんと一緒に過ごしますね」

「え? でも、お互い距離が遠いから難しいですよね?」

「それなら通話アプリでテレビ電話をするのはどうでしょう? どうしても一人で行動する場合は、電話して周囲に危険がないのか見張るんです」

「なるほど。片方が目撃者になりますね」

 植本の提案に羽間が納得する。

「まあ、なるべく一人で行動しないで、防犯対策もした方がいいかも」

「そうですね。今日、防犯グッズ買いに行きます」

「あ、それならわたしも行きたい!」

 羽間の言葉に石井が手を挙げて参加の意志を告げる。

「そうだな。自衛出来るものは、あった方がいいし」

「わたしも防犯グッズ欲しいかも……」

「それでは、これからみんなで買いに行きます?」

「そうね。その方がいいかも」

 全員の意見が一致したので、わたしたちはカラオケ店から出て、身を守れる物がないか色んな店に足を運んだ。

< 93 / 296 >

この作品をシェア

pagetop