日常を返せ!
 しばらく考え込んだ母は渋い顔をするが、大きなため息をついて外泊を許してくれた。

 わたしは自室に戻って、旅行鞄に必要な物を詰め込んだ。

 その間に田山からグループチャットで住所を送られたので、アプリを使って音声案内設定をして準備を整えた。

「行ってきます」

 わたしは鞄を持って家を出て行った。

 人が死んで出来た状況だけど、親の監視がないお泊まりなんて、楽しみだ。

 何事もなければ田山と遊びに行けばいいし、適当な事を言ってしばらく居座ろうかな?
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