首筋に噛み跡②ー彼女には、ウソはつけないー

明利side……



『……吸血鬼に襲われた』という彼女一言。

なぜ、嘘をついたのか。

嘘ついていることなんて、ずっと一緒に居るからお見通しだ。

今日は……確か、『エイプリルフール』だ。

ウソをついても良い日……

だから、彼女は嘘をついたのか。

納得した。


だが、正直彼女から『吸血鬼』と言われたことに……

驚いた。


だって、彼女を夜道襲ったの……俺だから。

吸血鬼になった俺。

彼女の言葉は、嘘ではない。

彼女には、まだ……言えない。時が来るまでは……



それと、彼女に『……俺の跡を付けた。それは、もう取れねぇから』って、言ったのは……

さっきも言ったが、俺は吸血鬼。

牙の後が残るんだ。

その痕は、俺にしか見えない。わからない。

彼女でも周りにいる人間達は見えない。



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