御曹司は離婚予定の契約妻をこの手に堕とす~一途な愛で溶かされました~
「瑠衣の意志が固いのは、よくわかったわ。でも、ひとつだけ約束して」

 誠意を示そうと、彼女の瞳をしっかり見つめる。

「困ったときは、絶対にひとりで抱え込まないで。私がいるから。瑠衣はひとりじゃない」

「渚……ありがとう」

 私のために怒って泣いて、絶対的な味方になってくれる彼女に、胸がいっぱいになる。

「渚の悩みも、いつでも聞くから。もちろん惚気も」

「逆よ。瑠衣の惚気を、いつか聞かせてもらうからね」

 それから彼女は、私の差し出した婚姻届を快く記入をしてくれた。

「瑠衣。幸せになるのよ」

 別れ際に、真剣な表情で言われる。
 私の動揺が、彼女に筒抜けになっていませんように。

「……がんばるよ」

 私が素直にうなずかなかったことに、彼女は気づいているだろうか。
 渚には、言いたいことも聞きたいこともまだまだあったのだろう。
 それにもかかわらずこの場では見逃してくれた彼女に感謝しながら、別れを告げた。
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