星のような僕らは

君が好き

流星群は、二時間もすれば、見えなくなった。
「もっと、観ていたかったな」
「しょうがないだろ。思ってたより、早く、通り過ぎたんだから。二時間も観れたら、良い方だ。
ほら、片付ける」
「はーい」
片付けもあっという間だった。前田さんに機材を返して、後は、寮に戻るだけ。
「蒼也君、機材、もらうね」
「ありがとうございます」
「散歩でもしてきたら?夜に散歩出来る日なんて、滅多にないわよ」
「それじゃあ、行ってきます」
「あまり、遠くまでは駄目よ。いってらっしゃい」
前田さんは、研究所の方へ歩いて行った。
「あっち、歩くか」
「うん」
私達は湖の近くを歩く事にした。
「流れ星、本当に綺麗だった」
「だな」
「また、観たいな」
「ああ。...でも、もっと、綺麗なのを俺は知ってるから」
もっと、綺麗なもの?
「あっ」と言って、黙りこんだ。
何かあるな...。
「教えてよ」
「教えない。自分で考えろ」
「やだ」
私は立ち止まって、蒼也の手を掴んだ。
自然と蒼也も立ち止まって、振り向いた。
そして、私は、答えを知りたくて、蒼也を見つめた。
私に根負けした蒼也は瞳の奥から覚悟を決めたような眼差しになった。
「...知りたいか」
「うん」
「聞いても、後悔するなよ」
「後悔しない」
それは一瞬だった。
私達は、満月の光に照らされ、その瞬間、蒼也が言った。
「梨歌が好きだ」
「えっ、私を?」
「ああ」
そして、私の耳元で囁く。
「何回も言わせるな」
その一言で、私の胸の鼓動が早くなるのを感じた。
蒼也の少し顔は赤くなった。
「...聞いて、どう思った?」
「驚いたけど」
それ以上に、分かった事がある。
「私も蒼也が好きなんだって思った」
「えっ」
「私ね、曲、考えてる時、蒼也の事ばかり、考えてた。いつのまにか、こんな時に蒼也が居てくれたらとか思ってたり、蒼也が私のために曲を作ってくれた時も嬉しかった。今、気づいた。ずっと、私は、蒼也に恋してたんだ」
蒼也は私を抱きしめた。
「ずっと、離さないからな」
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