星のような僕らは

二人だけの世界

二人で、手分けして、部屋を片付けて、その後、夜ご飯を食べた。
そして、今、流れ星を観る準備をしている。
私達は、丘の上で観る事になった。
流れ始める時間や方角はその時によって違うから、蒼也が観測用の機材を良い場所に組み立ててくれた。
「これで、見えるはず」
「すごいね。一時間で覚えてくるなんて」
「まあな。今日はもしかしたら、肉眼で見えるかも知れないし、役に立たないかもだけど」
「じゃあ、流れ星が来るまで、他の星、見ようよ」
「そうだな」と返事をして、蒼也は地面に寝転がった。
草がカサっと音を立てて、蒼也を受け止める。
「来いよ、隣」
「うん」
私も蒼也の隣に寝転がった。
そよ風が吹いていた事に気がついた。
空のキャンバスにたくさんの星が輝いている。
この世界にいるのは、私と蒼也の二人だけと言ってるみたいに静かだった。
「願い事したら、叶うかな」
「さあな」
「あっ、今」
空を線が横切ったような気がする。
「来たな」
「どこ?」
「ほら、あそこ」
蒼也が指をさした方角から、また、線が現れて、消えた。
「ほんとだ!」
「今から、増えたり、減ったり。今日は、ほとんど、肉眼で見えるから、このまま、見るか」
「うん」
私達に静寂が訪れると、流れ星は流れては、消えてを繰り返す。ただ、当たり前のように。
ずっと、このまま、当たり前が続いたら、良いのに。
だけど、私達は、いつか、星と同じように消えてしまう。だから、私達は。
「綺麗」
「...ずっと、続いて欲しい。この時が」
「うん」
ずっと、願い続ける。
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