前世へのレジスタンス

Witness

見られた。



穏やかな人に見えるだろう。

相変わらず、私の容姿はいいように操ることができるみたいだが、どうやら見抜かれてしまったみたいだ。


「お父様、もう時間の問題です。」
「うむ。」

シワひとつない服、整った顔、

そしてそれに見合わない、鋭く長い剣。


その剣の刃先が反射して光を灯す。


なぜだろう。
その剣を見る度に、今までに感じたことがないくらい胸が高鳴る。

普通は先程のことがフラッシュバックして、恐怖を感じたりするものだろう。


でも、私はそんなこと1ミリも思わなかった。




「さぁ、次はどこを滅ぼそうか」
「どこにしましょうか。」



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