強引社長は才色兼備のOLにご執心 ~そのキス、どういうつもりですか?~
「社長、しっかり立って!」

世話は焼くけど、こんな大男を抱えて歩けるほどの力はないんだから!

「芹澤…それやめろって言ったじゃん」

うっすらと開いた瞳は熱のせいで潤んでいる。いつもと逆で見上げられる体制に、不覚にもどきりと心臓が鳴った。この人はこんな時までイケメンを貫くのか。いや、むしろ雰囲気が増し増しだろう、これは。色気全開。惚れ惚れするほどセクシーなのは認めよう。ここに来たのが私じゃなかったら、今頃あなた襲われてるよ!

そんなことより、彼を動かすには彼の言うことを聞かなければ。

私はため息を堪えもせずに吐き出し、それから社長を見据えた。

「一静さん。 支えますから立って」

今度は素直に腰をあげるのだから、ほんとにもう。ちゃっかりしてるぜ。

なんとか社長を寝室に移動させるのに成功すると、肩まで布団で覆って一息。看病って重労働だわ。

「食欲はありますか? 食べたいものとか。雑炊かうどんくらいならすぐに出来ますよ」

お米と卵と出汁くらいはあるだろうと見込んで聞く。ちなみにうどんは、総務の一人が自分のお昼用に常備していたものを分けてくれた。簡単調理で食べられる商品だけど、会社にうどん常備とはなかなか癖の強い。

「…うどん食いたい。芹澤が作ってくれるのか?」

おお、うどんが採用された。あとで持ち主に報告してあげよう。
< 41 / 62 >

この作品をシェア

pagetop