◇Clown Act◇⇧
ふぅと息を整えて
私は、孤独な王様のもとへと歩み寄った。
「?……まだなにか用──」
彼の頬に手を添える。
私をとらえる大きな瞳が、さらに大きく見開かれた。
驚いて固まっているのか、抵抗はされない。
「手袋……汚れたままですみません」
「な、なんだ……なんのつもり……」
「あんなふうにサラッと傷つけてましたけど、絶対、痛かったはずなので」
若松先輩と同じ、左頬に残った大きな傷跡。
怖くないわけない。
痛くないわけない。
仲間ばかりで私は、大鳳会長の心配など一切しなかった。