◇Clown Act◇⇧
「待て!祥!」
大鳳会長の声が私を呼び止めた。
こちらに走ってきた王様に、無理やりなにかを持たせられる。
「え、な、なんですか?」
両手に握らされたそれは♥のカードだった。
「ピエロは危険だ。なにがあるか分からない。持っていけ」
「え、でも……」
「君に傷ついてほしくないと願うのは我儘か?」
切実な表情で言われてしまい、言葉が詰まる。
注がれるまなざしが、鈍い私にも分かるほど好意にあふれている。
まずい、照れてしまう。
まさか天下の大鳳会長から、こんな目を向けられる日が来るなんて思わなかった。