◇Clown Act◇⇧


一方のイースは、投げられた問いを数秒ほど咀嚼すると、お決まりの人をバカにするような笑みをこぼした。




「ンなことボクが知るわけないじゃん?クーピーとは同じピエロってだけで、特段話したこともないっての」


「本当にそうでしょうか?」


「日下部クンはボクになにを期待してんの?ボクならなんでも知ってるって?」




イースは「ハハッ」と声をあげ、日下部くんの顔をのぞきこむ。




「ジョーカーくんも日下部クンも、ピエロちゃんの名前呼んでたじゃねぇか。それで自然と覚えたんじゃないの?橋本祥って名前をさ。よく考えろよ?」


「そうかもしれません。が、釈然としないんです。腑に落ちない」


「ヘェ~!おもしろい!根拠がなさすぎて、返す言葉が見つからないなァ」


「イースさん、あなたはシャルドにもクーピーにもどこか特別視されていたように思えます。それに、敵側にもかかわらず、まるで第3陣営のような行動をしている。なのに誰に咎められることもない。不思議なんですよ。あなたという存在は、他のピエロとは明らかに別の次元にいる」




淡々とイースを詰める日下部くん。



余裕綽々だった嫌味なピエロの片目が、わずかに痙攣した気がした。




『それはイースもトモダチになるわけだ!』

『あのイースがトモダチになるなんて』




シャルド、クーピー
双方から言われていたことを思い返す。



どこまで問題児なのかと呆れていたけれど、疑問にしてみればたしかに謎だ。



イースが誰かとトモダチになるのがそんなにすごいことなのか。



役割を果たしているピエロたちと比べると、どこまでもフラットで気ままな姿は、敵とも味方とも言いがたくはあるが。




「何者なんですか、あなたは」




日下部くんが目を逸らさず言い放った。



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