◇Clown Act◇⇧



おぼつかない意識で見つめていれば、のしかかっていた重さがなくなっていることに気づく。



いつのまにか男子生徒は立ち上がっており、少し離れたところで威嚇するようにこちらに牙を剥いていた。



本来なら真っ白だったワイシャツを赤に染めている。



間違いなく血だということは見てとれた。



けど、いきなり襲いかかってくるという行動に理解が追いつかない。



なぜピエロであるイースではなく、同じ学校の生徒である私を狙ったのか。



もしかして私もピエロの姿をしているから間違えられた?



すると男子生徒は、唖然としているであろう私を見て凶悪に笑った。




「言われたんだ、ははっ。ピエロ姿をした女を襲えば……リングをノルマ分すべてくれてやるってな」


「?!」




"ピエロ姿をした女"


だなんて、あまりに限定された条件におもわず目を剥く。



なにそれ……まるで私をピンポイントで狙わせているみたいな、そんな命令……



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