アタシより強けりゃネ[完]
直季にそう言われても…うーん…

「学園の仕打ちに…」
「とーぜんマジで腹立ててるのは僕も一緒」
「永中の奴らに…」
「それはそうでもないんじゃないかと?」

うーん…それはそうだ。

「僕が煽って邦親がコクったことは僕も自覚してるから協力するよ。元々、平凡日常打開告白だったんだし」

うーん…平凡日常打開告白ってちょっとムカつく言い方だな。

「平凡日常打開告白だった…」
「その前置きやめろ。なんかムカつく」

俺がそう言うと、直季が腹立つほど大袈裟に肩を竦めて両手で自分の口を塞いだ。

その時、スマホが震えたのが分かったのは俺だけでなく直季もだ。クラスのグループメッセージに学園に残っている友達から次々にメッセージが入る。

“どこのクラスのどの授業も自習だって”
“明日は授業するって放送あったってことは、今日はもうしないって宣言?”
“先生が授業エスケープ?”
“西名さんのこと、見てた人の聴取は次々されてるって”
“うちらも見てたじゃん。職員室行ってから帰る?”
“了解道中膝栗毛”
“おれら、からおけうぃる”

はぁ~おじちゃんの言ってた“明日からどうするかも分からない突発的な行動”の結果がこれか…俺は皆に何を言えばいいのか分からない。西名さんならどうするのだろう。
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