アタシより強けりゃネ[完]

2−Bの紗友美さん

ザコい。わかっていたけどザコいね。

きぃちゃんとしもっちゃんがタワゴトと細谷ルミを調べて、東西南北を発見した。当然その名前に爆笑した私だけれど、しもっちゃんが言うには

「関係性では、この東西南北がボス格」

だという。タワゴトは取り巻き。

「強い?」
「そこらでチョロっと喧嘩してるぐらいだ。問題なし」
「じゃあ、来たらヤるよ?」
「「いいぞ」」

という会話をしたんだよね。その通りザコい。3人でのやり方を知っていれば違ってくるのかもしれないけれど…3人がぶつからないようにとか考えて動いているから、ショボい間合いだし…楽勝で腕を取って、みぞおちに蹴りを入れて終了。

「早く細谷ルミに電話してよ。迎えが来ちゃったじゃない」

きぃちゃんのバイクの音が近づいて来る。GPSでわかってるんだ。

「サユ、ちょうど終わった頃か?」
「うん。クニチカ、ありがと」

私が差し出した手にスマホを乗せてくれたクニチカは

「さゆみん、どこも痛くない?手首は当たってるだろ?」

と腕を取る時にケガしてないか心配している。

「当たってるっちゃ当たってるけど…別に」
「格好良すぎ」
「どぅも…」
「コイツらうずくまったままって骨いったのか、サユ?」
「みぞおちに入れただけだから1本もいってない」
「優しく終わらせたのか。ちゃんと正当防衛にしたか?」
「うん。クニチカ、撮れてる?」
「俺ので撮った」
「ん、アタシに送って」
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