アヤメさんと僕

1年が経ったある日

やがて、彼女の予約に時々キャンセルが入るようになった。
予約通りやってきても覇気がなく、難癖も付けない。
されるがままだ。
何か悟りを開いたのだろうか?

そうして再び冬が巡ってきたある日、ブローの最中にアヤメさんがこう言った。
「今日で最後や」
「え?」
何事かとブローを止めた。
< 15 / 21 >

この作品をシェア

pagetop