このたび聖女様の契約母となりましたが、堅物毒舌宰相閣下の溺愛はお断りいたします! と思っていたはずなのに
ぺち、ぺちと頬を叩かれる。
「……んっ」
ゆっくりと目を開けると、マリアンヌが「きゃ、きゃ」と声をあげていた。
「おはよう、マリアンヌ」
「あ、きゃ……きゃ……」
マリアンヌはご機嫌である。夜泣きの心配はなかった。
ベルを鳴らして侍女を呼ぶ。イリヤがすべてをやってもいいのだが、彼女の仕事を奪うのも悪いだろう。
口ではああ言っていたクライブだが、マリアンヌの世話をする侍女を指名してくれたのだ。マリアンヌの世話をしてくれる侍女は、ナナカと言う。イリヤと母親の間の年代の女性だ。
「おはようございます、奥様。今日はこちらでお休みになられたのですね?」
「おはよう。ええ、そうなの。どうしてもマリアンヌのことが気になってしまって」
「奥様はお嬢様のことが大好きなのですね」
「そ、そうね……」
大好きと言われて、ちょっと戸惑った。
イリヤは生活のためにマリアンヌの母親を引き受けた。そして昨日、マリアンヌが結婚したところでクライブに離縁をつきつけた。
これは仕事であり契約である。そう思っていたはずなのに、ナナカの一言がイリヤの心に突き刺さる。
だけど、マリアンヌのこんな純粋な瞳を向けられたら、誰だって好きになるにちがいない。
「マリアンヌ……マリー、マリー、大好き」
ぎゅっと抱きしめると、マリアンヌは「あ~う~」と言いながら、イリヤの髪に手を伸ばす。
「……んっ」
ゆっくりと目を開けると、マリアンヌが「きゃ、きゃ」と声をあげていた。
「おはよう、マリアンヌ」
「あ、きゃ……きゃ……」
マリアンヌはご機嫌である。夜泣きの心配はなかった。
ベルを鳴らして侍女を呼ぶ。イリヤがすべてをやってもいいのだが、彼女の仕事を奪うのも悪いだろう。
口ではああ言っていたクライブだが、マリアンヌの世話をする侍女を指名してくれたのだ。マリアンヌの世話をしてくれる侍女は、ナナカと言う。イリヤと母親の間の年代の女性だ。
「おはようございます、奥様。今日はこちらでお休みになられたのですね?」
「おはよう。ええ、そうなの。どうしてもマリアンヌのことが気になってしまって」
「奥様はお嬢様のことが大好きなのですね」
「そ、そうね……」
大好きと言われて、ちょっと戸惑った。
イリヤは生活のためにマリアンヌの母親を引き受けた。そして昨日、マリアンヌが結婚したところでクライブに離縁をつきつけた。
これは仕事であり契約である。そう思っていたはずなのに、ナナカの一言がイリヤの心に突き刺さる。
だけど、マリアンヌのこんな純粋な瞳を向けられたら、誰だって好きになるにちがいない。
「マリアンヌ……マリー、マリー、大好き」
ぎゅっと抱きしめると、マリアンヌは「あ~う~」と言いながら、イリヤの髪に手を伸ばす。