彼は推しと瓜二つ
雅之「音さんか…。とても素敵な名前ですね。
俺たち兄弟が大好きな音楽の音…… 。」

MITSUKIである雅之から名前を呼ばれて照れる音。

音(今が夜で良かった……絶対に今、顔が真っ赤になってる……)

雅之「光之も、絶対に音さんの事は気にいると思います!
前は平常心じゃ無かったからか失礼な事を言ってしまったみたいですが、アイツ、その事ずっと悔やんでました。
普段の光之はMITSUKIのキャラそのものって感じで、人を悪く言うような奴ではないんです。
まぁ、口数が少ないのはボロを出さないためにした事なんですけど。」

音「……そうだったんですね……」
(いま光之“も”って、言った??“も”って……。)


音(確かに、雅之さんはMITSUKIのキャラとは違うタイプの人…。
MITSUKIは光之さんをベースに生み出したはずなのに、私はずっと雅之さんのペースに乗せられて、一言一言に揺さぶられてしまっている…。
単に見た目がMITSUKIそのものだから……?

もしまた光之さんと会う事があれば、同じ様に揺さぶられちゃうのかな。
ほんと単純なオタクだなぁ、私って……)


雅之「音さん?どうしました…??」


音「いえ……名前で呼ばれて、ちょっとびっくりしちゃっただけです。」


雅之「あ、すみません……馴れ馴れしくて!
俺、海外生活が長いせいか、人との距離感が日本人っぽくないみたいで…敬語も苦手だし……」


音「い、嫌ではないので、大丈夫です!
私がMITSUKIファンだからって弄ばれてるのかも?なんて思ったりもしてませんし……!」

雅之は思わず笑いがこぼれる

雅之「えぇ〜。そんな風に思ってたんですか?
俺、そこまで器用な奴じゃないですよ。
そもそも弄ぶような計算力があったら、バレる様な言動だってとらないし…。」

音「だから今は思ってないですって!」

音もイタズラな笑顔を雅之に向ける


雅之「…音さんって、本当可愛いっすね。」

雅之は音の頭の上に手を置く
音は固まってしまう

雅之は音の様子を見て、慌てて手をどかす

雅之「あ……これがダメなのか。
すみません、お…杉山さん。」


音「いえ、大丈夫です!」
(本当に……嫌では無いし、むしろ………。
でもこれはマジで勘違いしちゃう厄介オタクになる奴だよ………)


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