彼は推しと瓜二つ
◯かなえ達のいる個室内

音はそっと中に入る

かなえ「あ、音やっと戻ってきた!大丈夫??」

音「うん、ごめんね。変な酔っ払いに絡まれちゃったり、場所も迷っちゃって…。」

かなえ「え?絡まれたの?!大丈夫??」

音「あー…うん!トイレにいた別の男性が酔っ払いの友達だったから、すぐに連れて帰ってくれて。」


かなえ「今回は何も無くて良かったけど、音はほんと気をつけてね!次は何かあったらすぐ呼んでよ?」

音「うん、心配かけてごめん。ありがとう。」


女2「てか、酔っ払いとはいえ音に声掛けるなんてさ。
自分が音に見合う男とでも思ってんのかな⁈」


女1「確かに!自分のレベルを分かってる男なら、そう簡単に音に声なんてかけれないよね。」

音「はい?」


かなえ「…なるほど。そっか、音に男ができない原因はこれね。」

音「いや、なるほどって何が?ちょっと、かなえさん…?」


かなえ「男はさ、私みたいな量産系女子の方が気軽に誘いやすいのよ。
かなえは高嶺の花っていうか、希少価値っていうか…天然記念物みたいな存在だから、迂闊に手は出せないのかも!」

女1「あ〜なるほどね。納得!」


音「納得!じゃないよ。天然記念物って……。
私なんて勉強や運動も大してできないし、“中身のない女”って言われて振られるオチなんだから…」

かなえ「音は自分を分かってなさすぎなの!
でもまぁ、やっぱり彼氏を作ろうと思ったら音の方からいくしかないかもね。」

女2「うんうん。この世で音に声をかけて許されるのは、音が推してるMITSUKIってアイドルくらいじゃない?」

音「ゴホッ………ゴホ……」

音はお酒を飲んでいたがむせてしまう


女2「ちょっと、もう、なに動揺してるの?
例えばの話でしょ。」


音「……いや、そうなんだけど…。」
(さっきまでトイレの前に本人いたし…。

でも光之さん、何で急に態度が変わったんだろう……。
小樽が地元って聞いて親近感が湧いたとか…?

雅之さんだけかと思ったけど、やっぱり双子で外国育ちの光之さんも人との距離感が近い人なのかな。

MITSUKIが本当は2人だろうと、キャラとのギャップがあろうと、私がファンでいる事に変わりは無いんだけど……)


かなえ「おーい、音ー?戻ってきてー。」

かなえに呼ばれて、音はハッとする。

音「あ、ごめん。今ちょっと考え事しちゃってた。」


女2「MITSUKIに言い寄られる妄想でもしちゃってたんじゃないの〜?」


女1「でも音って、学生の時はアイドルとか芸能人にそんな興味無かったよね?いつからドルオタになったの?」


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