【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
この心に宿るから

1.二人の融合──僕は僕を、赦すよ

「───まいさん。そろそろ起きた方が、いいよ」

耳元で優しくささやかれて、目を開ける。
はっとしながら、声の主に問う。

「いま、何時?」
「え? ……もう10時になるけど、今日はお仕事お休みだよね?」
「父さんが……」
「お父さんの見送りなら、僕がしたから大丈夫だよ。
まいさんのこと訊かれたから、僕の部屋で寝てるって言ったら涙ぐんでたけど……むしろ、そっちが大丈夫かなぁって感じで───」

頭をかきながら溜息をつく大地を見て、ようやく目が覚めた。

「……ちょっと。あんた何?」
「何って……。イヤだなぁ、まいさん。寝ぼけてるの? おはようの、チューしとく?」

ベッドの上で呆然としていると、かがみこんだ大地が軽くキスしてきた。
……また、入れ替わってる?

そう思って複雑な心境になる私に、大地がにっこりと笑ってみせた。

「ね、まいさん。昨夜……『あいつ』と……したの?」
「えっ……。えーと……」
「じゃあ僕とも、エッチしてくれるよね?」

いつもの大地の笑顔なのに……なんだか、その向こうに静かな怒りを感じて。
私は、何をどう話そうかと、額に手を置いた。

大地が、ふふっと笑う。

「冗談だよ。……なんか、まいさん、すごく疲れているみたいだし……」

ベッドに腰かけて、甘えるように、私の胸に顔を埋めてくる。

「僕は、これで我慢するから……しばらくこのままで、いさせて?」
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