【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
───だからこそ私は、微笑み返さずには、いられなかった。

「ね、トオルくん。
トオルくんは何もできなかったって言ってたけど……やっぱり大地にとっては、トオルくんがいてくれたこと───たとえ話を聞いてくれるだけだったとしても……ううん、話を聞いてくれたからこそ、救われていたんだと思う。
大地にとってトオルくんは、とても大切な人、なんだよね?」

トオルくんは、私の言葉に、嫌な顔をしてみせた───ちょうど、大地が私の隣に彼を見つけた時のように。

「……なんで女って、話をキレイにまとめたがるかなぁ……。
ま、あんたの次に、ってことにしておくか」

言ってトオルくんが肩をすくめた時、三人前のたこ焼きを右手に、三人分の飲み物を左手に持ち、大地がテーブルに戻って来た。


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