【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
悲しいことに、この感情は『愛情』じゃなくて『同情』だ。
無垢な心のまま、虐待の追体験をしてしまった『可哀想な』大地を、見殺しにできないだけなんだ。
そんな私の胸中を察したかのように、トオルくんが言った。
「あのさ、オレはそのセンセと直に話してねぇから思うんだけど……。選択肢は、本当にふたつしかないワケ?
例えば、いまの大地のなかに、以前のオレらが知ってる大地が眠ってるだけなら、そのままいまの大地と、合体させりゃいいんじゃねぇの?
どっちもホントの大地なら、どっちかの人格を消すっつーのは、ひでぇ話だし、それを佐木さんに選ばせるってのも酷だよな。
───どうよ、佐木さん。いっぺん、言うだけ言ってみたら? 『どちらか』じゃなくて、『どちらも』生かして欲しいってさ」
ニッと笑って見せるトオルくんに、私は目から鱗が落ちる思いだった。
……新しい風が吹いて、よどんだ気持ちが一気に晴れていくような、感覚だった。
*****
父さんからは、仕事で遅くなるとの連絡を受けていた。
変な気兼ねもいらないだろうし、
「夕飯でも食べて行けば?」
という私の誘いを、トオルくんはあっさり断った。
無垢な心のまま、虐待の追体験をしてしまった『可哀想な』大地を、見殺しにできないだけなんだ。
そんな私の胸中を察したかのように、トオルくんが言った。
「あのさ、オレはそのセンセと直に話してねぇから思うんだけど……。選択肢は、本当にふたつしかないワケ?
例えば、いまの大地のなかに、以前のオレらが知ってる大地が眠ってるだけなら、そのままいまの大地と、合体させりゃいいんじゃねぇの?
どっちもホントの大地なら、どっちかの人格を消すっつーのは、ひでぇ話だし、それを佐木さんに選ばせるってのも酷だよな。
───どうよ、佐木さん。いっぺん、言うだけ言ってみたら? 『どちらか』じゃなくて、『どちらも』生かして欲しいってさ」
ニッと笑って見せるトオルくんに、私は目から鱗が落ちる思いだった。
……新しい風が吹いて、よどんだ気持ちが一気に晴れていくような、感覚だった。
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父さんからは、仕事で遅くなるとの連絡を受けていた。
変な気兼ねもいらないだろうし、
「夕飯でも食べて行けば?」
という私の誘いを、トオルくんはあっさり断った。