【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
「僕が臆病(おくびょう)なせいでまいさんにたくさん嫌な思い、させて。
だけど……それ以上に淋しくて、悲しい思いをさせていたんだって、思っても、いいのかな……?
まいさんが、それだけの想いを僕に抱いてくれてるんだって、自惚(うぬぼ)れても、いいの、かな……?」

のぞきこんでくる大地の瞳が、愛しさを表わすような、強くて甘い色合いをしていた。

「そうよ。……淋しくて、悲しくて、どうにかなっちゃいそうに、苦しかった。あんたに好かれない自分なんて、無くしてしまいたいって」
「───まいさん……」

言いかけて、泣きそうになった自分に気づき、あわてて涙をこらえるために言葉をのみこんだ。

握った私の指先に、(ゆる)しを乞うようにして、大地は唇を押しあてた。

「大好きだよ……僕は、僕のすべてをかけて、まいさんを想ってる。まいさんの心に、一筋の傷も、つけたくないんだ。
『あいつ』は僕であって『僕』じゃない。どんな理由があったって、まいさんを傷つけていいことにはならないんだ。
僕の……大切な、まいさんを」
「大地……」
「『あいつ』は解ってないんだ。僕がどれだけ、まいさんを愛しているのかを。どれだけ……僕が、この想いによって、救われてきたのかを。
解ってないから……平気でまいさんを傷つけて、困らせて……自分も被害者だって、思っていられるんだ……!」
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