月と太陽の事件簿1/月明りに照らされて
あたしこと日野麗美(れいみ)は、警視庁刑事部捜査一課二係に所属する警察官だ。ちなみに年齢は28才。

そのあたしをなれなれしく「レミ」と呼ぶ助手席の男の名前は月見達郎。年齢は25才。

あたしの母の姉の息子、つまり従兄弟だ。

「ん、誰かいるな」

達郎が額をさすりながら言った。

そこに立ってたのは赤い傘をさした60才ぐらいの女性だった。

「なにかあったのかしら?」

あたしは傘を手に車を降りた。

「あの、どうしたんですか?」

声をかけると、女性は身体を震わせながら、ゆっくりとこちらを向いた。

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